形成外科

 形成外科は、体の全表面(皮膚)の様々な疾患に対して、専門的治療を用いて、 形態の正常な回復をはかる診療分野です。

<< 対象疾患 >>
外傷 切り傷、挫創など外傷一般の初期治療
傷あと 肥厚性瘢痕、瘢痕拘縮、ケロイド、外傷後の変形
熱傷 新鮮熱傷の初期治療、熱傷後瘢痕
皮膚・皮下腫瘍 ホクロ(*1)、イボ、鶏眼(ウオノメ)、胼胝(タコ)、
粉瘤(アテローム)、脂肪腫、ガングリオンなど
あざ 太田母斑、扁平母斑(ベッカー母斑を含む)、
異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症
シミ 脂漏性角化症の一部(老人性ゆうぜい)(*2)
耳の変形・奇形 副耳、立ち耳、折れ耳、埋没耳、耳垂裂など
爪の疾患 巻き爪、陥入爪
まぶたの疾患 逆さまつげ、眼瞼の変形(内反、外反)、眼瞼黄色腫など
眼瞼下垂症
(がんけんかすいしょう)
視野障害を合併した眼瞼下垂症の場合は保健診療適応
ワキガ、多汗症 臭いが強く、皮弁法(剪除法)で手術を実施する場合は保健診療適応
陥没乳頭 陥没が強度で授乳障害のある場合は保健診療適応
でべそ 単なる変形ではなく臍ヘルニアによる突出がある場合は保健診療適応
はげ 外傷、熱傷後などの瘢痕性脱毛の場合は保健診療適応
(加齢による場合は自費診療となります)
顔面神経麻痺 麻痺による眉毛、眼瞼、ほほ、くちもとの下垂変形

  • *1
     隆起、または拡大傾向を示すホクロは保健診療適応
  • *2 隆起性の脂漏性角化症の一部は保健診療適応

 その他の症状についても、単なる美容を目的とした場合を除いて保険診療の適応となります。診察時にご相談、ご確認ください。

ページのトップへ

標榜科目

■形成外科はいったいどのような診療をしているのか、みなさんはご存じですか?

形成外科
形態の正常への回復、改善を担う専門分野
形成外科の診療
外傷、先天奇形、皮膚腫瘍、熱傷など身体表面(皮膚)の多様な疾患
形成外科と整形外科の違いは?
整形外科は骨、腱を主体、形成外科は皮膚が主体
形成外科と美容外科との関係は?
美容外科は形成外科の一分野

■形成外科とは?

 医療の進歩は目覚ましく、現在では専門の診療科がその特殊性を活かして、多くの病気、外傷から人々の命を救い、守ることが可能となりました。この進歩の過程を振り返ると、当初の最も重要な目的は命を救うことでしたが、救命の成果が向上するにつれて、次の目標として機能の回復を、そして更に、形態(姿、形)の改善へと、治療の対象が拡大してきたことがうかがえます。 眼科、耳鼻科、整形外科は機能の回復を、そして形成外科は形態の回復を担う専門分野として生まれ、1958年には日本形成外科学会が発足しています。その後、専門分野としての役割が評価されて1975年に正式な診療標榜科として認められ現在に至っています。

■形成外科と整形外科の違い

整形外科は骨、腱を主体に形を整える、
形成外科は皮膚を主体に形を在るべき状態に成す

 脳外科、眼科、耳鼻科などと異なって形成外科には臓器名が付いていません。また整形外科と混同されやすいことが、形成外科の診療内容についてわかりにくい要因になっているようです。 整形外科は骨を主体に形を整える、形成外科は皮膚を主体に形を在るべき状態に成す、と区別するとわかりやすいのではないでしょうか。 形成外科は、病気、外傷によって生じた身体の表面の様々な形態の変形を、主に手術により、機能も含めた形態の正常への改善、回復をはかることを専門とした診療科です。

■形成外科の実際の診療

 擦り傷、切り傷の処置、縫合術など外傷一般の初期治療、残ってしまった傷跡を目立たなくする修正術、生まれつきのアザ、変形などの先天性疾患の各種形成術、また、皮膚の腫瘍の切除術、熱傷治療など、身体表面(皮膚)で起こった様々な疾患を対象としています。

 形成外科の専門特異性としては、以前であれば非常に醜い変形を残すこととなった身体組織が広範囲に欠損した際の再建手術において認めることができます。例えば顔面外傷時の大きな皮膚欠損、また複雑な立体組織である鼻、口唇、耳、眼瞼が欠損した時に、元の形態への回復を目的として、今までに蓄積された各種の技術(皮膚移植術、皮弁移動術、顕微鏡下での微細血管縫合手技など)を用いた高度の再建治療(修復手術)を行って来ました。 この知識、技術が日常の多様な体表(皮膚)の疾患の治療、また美容外科手術の基礎、基盤となっています。

■形成外科と美容外科との関係は?

- 美容外科は形成外科の一分野です -

 形成外科誕生当初は、病気、外傷、生まれつきによる変形が主な治療の対象でした。その後、医療技術の向上、そして豊かな社会、社会通念、価値判断の変化を経る過程で、美しい形態への相談、要望をしばしば経験することとなりました。救命、機能の改善、変形から正常の形態の回復・復帰の次の段階として、美しい形態を希求することは一連の自然な流れと考えられます。 交通事故の傷跡治療を終了した方が、あるいは皮膚腫瘍を切除した方が、二重、シワ取り、シミ治療などを希望される場合など、形成外科の日常の診療における美容的要望は年々増加し、美容外科手術は形成外科の専門技術がそのまま応用できることから、再建手術とならんで形成外科の主要な一分野となっています。 現在、国際美容外科学会の入会資格は国際形成外科学会の会員に制限されています。欧米では、美容外科の診療は、形成外科全般を習得後の基盤があって成立すると考えられていることがその理由です。

ページのトップへ

皮膚腫瘍

■皮膚腫瘍とは?

皮膚にしこりができてきた、ほくろのようなものが大きくなってきた、といった症状を皮膚腫瘍と呼び、生まれつきあるものも、後天的にできるものもあります。

大まかには良性と悪性に分類されます。  
良性であっても徐々に大きくなり、様々な皮膚のトラブルの原因になることもあります。  
皮膚の良性腫瘍の多くは原因がわかっていません。
 
悪性はいわゆるガンです。急に大きくなってきた、色が濃くなってきたなどの変化は要注意です。

ページのトップへ

眼瞼下垂症

  • ●まぶたが重い
  • ●眼の奥が痛い感じがする
  • ●ひたい、こめかみが締めつけられる
  • ●頭痛、持続する頭重感
  • ●頑固な肩こり、首の後ろ(後頚部)がはる
  • ●ひたいの深いシワ、ひたいが緊張している
  • ●まぶたの凹みが目立つ

『年のせい』だと諦めていませんか?

→これらの症状は眼瞼下垂症と密接な関係があります。

 手術後には、これらの症状の一部または全てに著明な改善が認められています。 上記症状は、疾患として保険診療の適応となります。

■眼瞼下垂症とは?

 高齢者に多い疾患ですが、最近はコンタクトレンズ長期使用、瞼を強くこする習慣 (例:アトピー体質による痒み)との関連が疑われ、若年者にも増加の傾向があります。

■発症の原因
  • 1.眼瞼挙筋※1の麻痺
  • 2.眼瞼挙筋の発育不全
  • 3.眼瞼挙筋と眼瞼との付着部位の伸展、剥離(瞼を開く筋肉が薄く伸びきっている)
  • 4.弛緩した瞼の皮膚(まぶたの皮膚がゆるんで垂れ下がる)
  • 5.弛緩した眼輪筋※2(まぶたを閉じる筋肉がゆるんで垂れ下がる)

  • ※1 眼瞼挙筋:まぶたを開く筋
    ※2 眼輪筋:まぶたを閉じる筋
■眼瞼下垂症の分類

先天性…生まれながらに症状が認められる、後天性…出生後に症状が現れる

 先天性眼瞼下垂症は眼瞼挙筋発育不全によることが多く、放置すると視力低下の原因となるために、幼児期での手術が必要です。 後天性眼瞼下垂症は1~5のすべてが原因になりますが、主に加齢による眼瞼挙筋付着部弛緩、剥離、眼瞼皮膚、眼輪筋の弛みが原因となる発症の頻度が最も高いため、別名「老人性眼瞼下垂症」といわれます。 症状は、通常数年間かけて進行するため、あごを突き出して見る、ひたいを緊張させ眉毛を吊り上げて眼を開くなどの無意識な代償動作によって不便さに馴染んでしまう傾向があります。代償動作は深い緊張したシワ、また窪んだ眼が目立ち、単に美容上の問題に限らず、ひたいの締めつけ、緊張感、頑固な肩こり、頭痛にも関与していることが最近指摘され、注目されています。
 手術は、ゆるんで伸びた皮膚、眼輪筋の切除、眼瞼挙筋の固定術など、症状程度に応じた方法が既に確立されており、これによる機能改善(視野の改善)と同時に外貌上の改善、また通院治療も可能です。
 長年気にはなっていたが、どこで、どのような治療で改善するのか判断資料が乏しく、また加齢や美容上の問題と考えて多くの方が悩んでいるのが現状のようです。症状の明らかな場合には保険診療となります。

 まぶたがなんとなく重い、頑固な肩こりなどの症状がありましたら、 当クリニックにご相談ください。

ページのトップへ

二重まぶた

目元が変われば表情も美しくなります。
あなた自身のタイプにあった方法でお悩みを解決していきましょう。
二重まぶたには様々な方法があります。
大きく分けて 「埋没法」「部分切開法」「切開法」 です。

●埋没法
10~15分程度で簡単に終わりますが、次第に固定が緩くなって戻りやすいことや、埋没糸が見えてしまうこともあります。

●部分切開法
埋没法よりは戻りにくく、長持ちします。腫れが一番目立ちにくい方法です。

●切開法
この中では、一番一重に戻りにくい方法ですが、腫れも長く続きます。

ページのトップへ

ホクロについて

 黒または黒褐色の、小さい皮膚の病変をホクロと一般に呼んでいます。 これは俗称であって、実際は色素性母斑に分類されます。しかし日常生活では、区別が必要ないくつかの黒褐色病変を含んで混同されています。悪性の疾患、悪性の危険性がある他の疾患を、ホクロと思って放置していることには最も注意が必要です。
 
ホクロの正式病名である色素性母斑について、分類、一般的経過そして区別が必要な疾患は以下のようになります。

■色素性母斑の分類 - 3タイプに分類 -

1.境界母斑 扁平な母斑
2.複合母斑 軽度に盛り上がった母斑
3.真皮内母斑 盛り上がった母斑

■一般的経過

 褐色、黒色の大小の色素斑で、扁平または隆起する。年齢とともにゆっくりと増大、隆起、色調が濃くなることが多いが、ほとんど変化しないこともあり、程度は様々です。急激な変化はありません。
 急激な変化
(大きさ、盛り上がり、出血、色が濃くなったなどの変化の程度が強い)がみられた時は、全く異なった病変、悪性変化(特に基底細胞腫、悪性黒色腫)が疑われますので注意が必要です。

■ホクロと鑑別が重要な黒褐色の皮膚疾患

●脂漏性角化症 良性(別名:老人性ゆうぜい)
●黒色上皮腫 良性
●基底細胞腫 破壊型は極めて悪性
●有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん) 悪性、早期手術が必要
●悪性黒色腫 極めて悪性、早期手術が必要
ページのトップへ